パワーストーン

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黄色の目にパワーストーンの首輪をしたうちの招き猫

私がミーを拾ってから、もう3年の月日が流れていました。
私の家に来た時のミーはガリガリに痩せた小さな子猫でした。
ミーの体はドロドロに汚れていました。
私は自分でも、よくこんなに汚い猫を拾ってきたなと思いました。
ミーが田んぼのあぜ道に放り出されていた時には、雨がひどく降っていました。
ミーは鳴き声も上げず、傘をさして通りかかった私を見上げました。
私はミーと目が合ってしまったのです。
ミーの目は黄色く透き通っていました。
私はその目を見つめていたら、自分が吸い込まれるような錯覚に陥りました。
それぐらいにミーの目は、わたしにとって衝撃的でした。
私は自分のレインコートが汚れるのも構わずに、ミーを抱き上げていました。
さてミーを家に連れ帰った私はまず、家にいた母に言い訳をしなければなりませんでした。
私は両親と私と妹の4人家族でしたが、家で生き物を買うのは私が小学生の時に買ったカブトムシ以来でした。
母はミーのあまりの汚さに仰け反り、後ずさりしました。
私はブツブツ言う母を背にしながらミーを風呂場へ連れて行き、頭からお湯のシャワーを浴びせました。
ミーは嫌がって爪を立てて私を引っ掻いたので、私は悲鳴を上げてミーを睨みました。
でもこの時のミーの目はやはり黄色く透き通っていて、綺麗なままでした。
やっとの思いでミーの汚れを何とか洗い落とした私は、ミーをタオルでくるみながらミーの体を拭きました。
すると白いタオルがまだ黒く汚れます。
ミーの汚れは何だか一度では落ち切らないようでした。
ただあのドロドロ状態からは何とか脱しました。
何とか綺麗になったミーをよく見ると、両耳と両方の前足だけ黒い毛でした。
これは汚れじゃなく本物の毛で、なかなか上品な猫に見えました。
ミーは最初、不安そうに周囲を見回していました。
やがて、ミーのお気に入りの場所も見つかりました。
茶の間のテレビの横に置いた籠が、ミーの一番のお気に入りの場所です。
その籠の中には、読み終わった新聞紙が入っていました。
でもミーがその籠の中にちょこんと座るため、母は新聞紙を別な場所に移してくれました。
父や妹も最初は猫なんてと言っていましたが、ミーがクルクルした黄色い目で見上げて愛想を振りまくので、だんだん何も言わなくなりました。
彼女は半年も経たないうちに、わが家に溶け込んでいきました。
そうそう、ミーは雌猫です。
彼女のおかげで、うちの中は明るく快活になりました。
うちの家族は皆がそれぞれ仕事を持って働いているのですが、ミーが来る前は皆が疲れて話す気力もあまりない状態でした。
でもミーが来てから家族の会話が増えていったのです。
皆が仕事で疲れて帰ってきても、ミーのおかげで癒されました。
ミーのあの不思議な目に見つめられると、心が和むのです。
そのミーの目とそっくりなパワーストーンを、私は旅先で見つけました。
ルチルクォーツという黄色くて半透明な石です。
それを見たら私は何だかミーへのおみやげとして買ってあげたくなりました。
ブレスレットはミーの首にぴったりでした。
ミーは最初、何だこれは、という表情をしていましたが、そのうちに慣れて気にしなくなりました。
私はそのミーを写メにオて友達に送ったら、友達は生きた招き猫がいる、と興奮気味に言いました。
私の友達でミーのことをケータイの待ち受け画面にしている人は多いです。