パワーストーン

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僕を守ったパワーストーンが変色した

僕は南の小さな島で生まれました。
僕の母は東京で生まれ育ったので、なぜそんな縁もゆかりもない南の島で僕を生んだのか、わかりません。
僕が生まれた夜には、たくさんの流れ星があったそうです。
母は、病室のベッドの窓から僕を抱きながら眺めたそうです。
そして僕と同じぐらいの時に生まれた、もう一人の赤ん坊がいました。
それが僕の幼馴染の彼女です。
僕と彼女はとても仲良しでした。
僕達は滅多に見られないたくさんの流れ星の日に生まれたので、流れ星の子と島の人達に言われました。
彼女と僕のお母さんは、仲が良かったようです。
僕と彼女、その母親達4人でよくご飯を食べていた記憶が僕にはありました。
彼女のお父さんは漁師で、家を空けることが多かったようでした。
僕の父は東京で働いていました。
でも子供の僕にはなぜ母が父と離れて、遠い南の島で暮らすのかわかりませんでした。
ある日僕と彼女が海のそばで遊んでいたら、急に天候が変わり始めました。
とても強い風が吹いて僕達は岩場の陰に身を寄せました。
恐くて泣き出した僕に彼女は、こんなきれいな石を拾ったよ、これをあげるから泣かないで、と言いました。
彼女がくれたのは、とても深い青い色をしていました。
それを見て僕は何とか泣くのをやめようとしましたが、どうしても涙とシャックリが止まりません。
やがて僕達を捜しに大人達が大勢やってきて、僕達は助けられました。
僕の母は僕以上に泣きじゃくり、僕が苦しくなるほどギュッと強く僕を抱きしめました。
この事件後、僕と母はこの南の島を離れて東京で暮らすことにしました。
僕が6歳の時でした。
そして15年後の夏、僕は再びあの南の島へ行くことになりました。
東京に戻った母は父と別れて僕と二人で暮らしていました。
でもその母も亡くなりました。
母の遺言ではお骨をあの南の島へ埋めてほしいとあり、僕は母の遺言通りにしようと南の島へ行ったのです。
よく走り回っていた海岸へ行くと、あの幼馴染の彼女が僕の方へ走ってやって来ました。
僕達はお互いにすぐわかりました。
彼女はとても美しく成長していました。
あの青い石を持っているかと、彼女は僕に聞きました。
僕はそれがどんな石か思い出せませんでした。
たぶん荷物の中にあるから捜してみると言って、彼女と別れました。
僕が記憶を辿っていくと、嵐の日に彼女から渡された青い石のことを思い出しました。
僕はそれをお守り袋の中に入れて持ち歩いていました。
正確には僕の母が、持ち歩くようにと言ったのでした。
僕は母の納骨などの手続きを済ませた夜に、彼女の家に寄ってみました。
彼女のお母さんがいて僕は昼間、彼女に会ったことを話しました。
すると彼女のお母さんはとても驚きました。
彼女は1年程前に、海で行方不明になっていました。
じゃあ、僕が昼間会ったのは誰だというのでしょう。
僕は彼女のお母さんの話を信じられませんでした。
僕は頭を整理しようと、彼女と遊んだ海岸へ行きました。
僕が静かな海を眺めていると、隣に彼女がそっと座りました。
あの石は、と彼女は言いました。
僕は緊張しながら頷いて、お守り袋から石を取り出しました。
それは夜の暗さにもかかわらず、青く光り輝いていました。
彼女の瞳も石と同じぐらい青く輝いていて、一緒に来てくれないかと彼女は僕に言いました。
僕が何か言おうとするとビキッと音がして、彼女が僕の視界から消えました。
僕は明け方、海岸で気を失っているのを島の人に助けられました。
僕の傍にはお守り袋から出た青かった石がどす黒く変色して、割れていました。
この石はパワーストーンで、僕の身代わりになってくれたのかもしれません。